松尾しよりの世界
負けそうな時に読むと、勇気や元気があふれてくる。
ボクと松尾先生は、数年前にブログを通じて知り合いました。
実は松尾先生、愛知県出身で大阪育ちの関西人。親しみやすいお人柄からは想像できませんでした(笑)。おおらかで優しさに満ちた、とても素敵な作家さんです。
さて、松尾先生の漫画作品についてです。
描かれる主人公の多くは、逆境の中で、あきらめずに未来へ向かって懸命に生きる女性たちです。真摯に生きる女性たちの姿を、時に繊細に、時にダイナミックなタッチで描ききる松尾先生の技術は素晴らしく、人物のデッサンはもちろん、効果・背景にまで徹底的にこだわりぬいた作品の輝きは、読者の心に深い感動をあたえてくれます。
そんな先生がこよなく愛する会津は、ある作品の取材で訪れたのがはじめてとのこと。縁もゆかりもない会津で出会った皆さんの、まっすぐな気質に魅了されてしまったそうです。なにがあってもあきらめない強さ、どれほど苦しくても前進する意欲を失わない姿勢に、松尾先生自身が勇気づけられたんでしょうね。
松尾先生は、あの震災後も、会津の親善大使として日々精力的に会津を応援しています。
ボクたち漫画家にとっての創作活動は、修羅の道をはだしで歩くようなもの。自分で言うのもなんですが、心の支えがなくてはやっていけないお仕事です。
会津は、作家としての松尾先生の背中を押してくれる、なによりも心強い支えなんだと思いました。
いつかは青年誌でも描いてみたいという夢も語っていただきました。そんな挑戦する勇気も、会津にいただいたのかもしれませんね。
先日、松尾先生とお話しした際に
「もし自分の描いた作品が、誰かのお家の本棚の隅に置いてあったり、心のどこかに、おぼろげにでも残っていてくれたら・・・、それほど幸せなことはありません」
と、照れながらおっしゃっていました。